2006年06月19日

祓えと清め

玉と団.jpg
団十郎と玉三郎(相変わらずエントリーとは関係ない写真です)


日本という国は南北に細長く連なる列島国で、気候帯でいえば亜寒帯から亜熱帯までを広くカバーしています。日本の自然は実に多様性に富んでいます。南北の変化だけではなく、同緯度にあっても高低差があるため山岳・渓谷・高原・盆地・平野といった多様性に恵まれることで、自然はは四季折々の美しさを作り出しています。

こうした変化に富んだ国土のおかげで、一年を通してさまざまな農業や漁業を行うことができます。また、一部の地域が不作であっても他の地域は豊作になるというように国土の多様性が食料の安全保障にもつながっています(現在の食料自給率は悲惨な状態ですが・・・)。

このような美しい国土で優しい自然に囲まれて暮らしている民族には、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教といった「自然と対峙」しなければ生きていけなかった地域で発生した宗教とは全く異なる宗教観が生まれるのも当然のことでしょう。日本人にとっては森も川も海も、対決する対象ではなくて共生する対象であったわけです。そこから自然のさまざまなものに「神」を感じる神道という宗教が生まれてきたといわれています。
キリスト教文明圏においては、キリスト教は宗教であると同時に精神的な文化の基礎になっています。精神文化の基礎とは、思いっきり簡略化して述べれば、例えば日常生活の端々でキリスト教的な考え方で自然に行動するようなことです。

日本においてはほんの60年前までは神道とは宗教であると同時に、日本民族の精神文化の基礎になっていました。現在でもお正月の初詣に始り、節分や雛祭、端午の節句等々知らず知らずのうちに「神道的」な行事を行っています。60年前と異なるのは、神道の宗教的な真の意味合いを理解している日本人が激減している点です。

伊勢神宮は天照大神をお祀りしている神社だということは多くの人がご存じでしょう。ではどういう風にお祀りされているか分りますか?神道の神々は多面性を持っています。伊勢神宮では天照大神の和魂(にぎみたま)は正宮でお祀りし、荒魂(あらみたま)は荒祭宮でお祀りされているんです。

神道の本質は神の全人格をお祀りしているのではないのです。私たちの心の中には良い心、尊い心もあれば、悪い心や醜い心も混在しています。良い心、尊い心を「神」としてお祀りするのが神道の本質です。荒ぶる魂や、怨みの魂はその災いの念が人々に災いをもたらさないように、その魂を鎮めて弔い、尊い心の部分を神として祀ります。

つまり、すべてを許し、受け入れた上で尊い部分を「神」として祀り、怨みの部分は魂を鎮めて弔いをするわけです。
この「すべてを許し受け入れる」ということが聖徳太子の「和をもって尊しとなす」という和の精神に帰着していくのです。

ただ、日本民族がひとつだけ気をつけなければならないのが、高温多湿な気候風土におけるカビ対策です。そこから生まれたのが「祓え」と「清め」です。いつも清潔にしておいてカビの発生に注意しておけば日本人は幸せな生活を送ることができたんですね。

そこからもう一つの神道の本質である「禊ぎ」という観念が生まれてきます。神道は「禊ぎに始り禊ぎに終わる」と言われるように、「禊ぎ」は神道そのものなのです。

肉体的にも精神的にも「禊ぎ」を行うことで、悪しき部分が浄化されるのが神道です。

また、カビの発生を逆手にとって生活に活用する知恵も育まれました。その結果発達してきたのが発酵食品です。味噌も醤油を中心としたさまざまな発酵食品は日本の食卓に彩を添えるだけではなく、日本人の健康にも大きく貢献しています。

平安王朝後期の詩人、藤原茂明に「六月祓」という七言律詩があります。
「妖氛万里払来無」
祓えをすれば妖氛つまり不吉なことが起こりそうな嫌な気配を万里の彼方に追いやって、それはまた来ることがないという意味だそうです。
posted by 小龍景光 at 18:03| 🌁| Comment(1) | TrackBack(0) | 文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ブログ開設おめでとうございます!!

アクセス数を上げるために当コミュニティサイトに登録しませんか?
http://blog.livedoor.jp/freshman_box/


より多くのひとに貴方のブログを見てもらえます。

参加するにはこちらからが便利です
http://blog.livedoor.jp/freshman_box/?mode=edit&title=%3F%3F%3Fa%3FS%3F%3F%3Fl%3F%3F%3F%3F%3F&address=http%3A%2F%2Fyamatogokoro%2Eseesaa%2Enet%2F


お問い合わせはコチラから
http://blog.livedoor.jp/freshman_box/?mail

Posted by みんなのプロフィール at 2006年06月20日 08:16
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/19510106

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。